「去年の稲作の収入は時給450円にしかならなかった・・・。」
 宇都宮市内のある稲作農家からお聞きした話です。
「機械代がかさんで、確定申告は所得ゼロ申告だった」
 これは、芳賀郡で20ヘクタールの大規模稲作農家の声です。

なぜこんなことになるのか、原因は米価の下落です。
一時期1俵(60キログラム)で2万円代だった米価はおととし暴落。去年も低いままで、農家の経営は一気に苦しくなりました。大規模になればなるほど影響は深刻です。1俵で1000円違うと、4千俵生産の大規模農家では400万円の損失となります。

稲作農家は存亡の危機だという危機感を皆さん持っています。TPPでコメの輸入が始まり、さらに米価が下落すれば、このままでは日本の水田は荒れ地だらけになるーー と悲痛な叫びが、栃木の田園に満ちています。
「政府は飼料米を作れと。でも私たちが先祖から引き継いだ水田で、なぜ人間が食べるコメではなく、牛や豚のエサを作るのだろうか。。。」田園には、悲しみも広がっています。

私が伺った農家のみなさんの声—
「土と太陽の自然の力で実りを得るのが農業、コメは1年に一度しか取れないことをわかってほしい。生産性はそう簡単には上がらない。」
「私たちは儲けようなんて思っていない。先祖から引き継いだ田んぼを次の世代になんとか引き継ぎたいだけだ、でも今の米価、国政では全く希望は持てない」
「大規模化、法人化というが、そこで働くことは労賃の安い小作人になることと同じだ」
「家族労働で時給450円でも水田を守るためにコメを作る、その個人農家がやれなくなったら、企業がコメを作って採算があうわけがない」
「パートの人を集めて法人を作っても、いいコメはできない。農業は自然を見つめる知恵と技術、気力・体力が必要だ。本当の作物は作れない」

そして農家は、農業の未来を心の底から心配、そして悩まれています。
「こんな状況では、機械が入りにくい田んぼや土の条件の悪い田んぼは、耕す人もいない、借りる人もいない。平地の田んぼも荒れ地だらけになる」

水田の輝き、稲の青葉、こうべを垂れる黄金の稲穂。私たちが愛おしく思う田園風景を守りたい。

たのべたかお、必ず守ります。農家の支援とTPPの承認の阻止を!

※写真は孫の離乳食を拝借しました。全て国産です!

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