トランプ氏と安倍首相の会談の報道を見て、日本がトランプ氏と向かい合っていく時には、その姿勢や考えをもっと慎重に見極めていかなければならないと思っています。
アメリカでは、トランプ氏を大統領として認めない抗議の声が続いています。これまでになかったことだと言われています。
選挙中のトランプ氏の移民、マイノリティ、イスラム教徒、そして女性への差別発言の数々。それは容認できるものではありません。
心配なのは、経済的格差やグローバル経済への疑問や反対としてトランプ氏へ投票した方がいる中で、こうした差別的機運を気持ちの中に持つ方の投票もあったことです。
もし、この隠れた意識が、表面化し、トランプの「内向き主義」が、「排外主義」や「少数派隔離主義」になっていくとしたら、とても恐ろしいことです。
ただでさえ、グローバル経済や新自由主義による過度の規制緩和や労働者保護の低下は、貧困を生みだし、希望を損ない、社会をバラバラにしてきています。それを加速させることに繋がってしまうからです。
アメリカ国民がデモでトランプの危険性を再度訴えていることに私は共感しますし、訴える市民たちがいること、訴える自由な空気があることに、アメリカの民主主義の底力を感じます。今、社会を繋ぐためには警告が必要で、それは市民の声なのだとあらためて思います。
今、アメリカだけでなく欧州、そして日本でも、国政が大きく揺れています。経済政策や防衛政策だけではなく、社会保障のあり方、何より寛容で共感に満ちた未来の作り方を決して誤らないでほしいと思っています。
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