「無農薬、化学肥料不使用」にとどまらない、食べ物と暮らしの広がりを、16日に宇都宮中央公園で開かれたイベントで感じることができました。

「とちぎの縁日」というイベントです。昨年に続いての第2回の開催で、県内各地から様々なオーガニックの農産物やこだわりの食品が集まり、販売されていました。どれも、いかにも美味しそうな、身体が喜びそうな、食べ物ばかりです。

農家の皆さんは、育て方にこだわっているだけではなく、野菜の生命力そのものを大事にしています。

佐野の関塚農場さんは、「自家採種」の取り組みを続けているそうです。作物の種を自分で採って、その種から育てています。しかも、昔から伝わる在来種・古来種にこだわっています。当たり前のことではありません。

現在、市販の種のほとんどは大手種苗メーカーが作っていて、その作物からは種が取れないように作られています。農家は毎年種を買わなければならないし、メーカーのいわば「既製品」の野菜ばかりが市場に出ることになります。「自家採種」で続けるのは大変なことなんです。

例えば写真の「鶴首かぼちゃ」(私も妻も初めて見ました)。これも日本の古来種だそうです。「ポタージュスープにすると絶品」ということで、楽しみに買わせていただきました。あとは妻にお任せですが。

この縁日が素晴らしいのは、農作物だけではなく、手作りの加工食品や工芸品…魅力的なものがズラリと並んでいたことです。こんな工房がとちぎにあったんだ!と驚きの連続でした。

また、屋台の飲食物も魅力いっぱい。お煎餅やクッキー、パン、スープ、お焼き、田楽、ヌードルなどなど、どれも作る人の知恵と工夫と愛情を感じるものばかりでした。

宇都宮短大付属高校の皆さんが創作した「ヨークシャー・プディングのカレーソース仕立て」の一品も食べてみました。ヨークシャー・プディングというのは、イギリスの家庭でよく作られているそうで、シュークリームの皮を厚くしたような食べ物です。これに、ココアとイカ墨を加えて数日煮込んだというカレーソースをかけてくれました。美味しかったです。

このイベントのキャッチコピーは、「自分のそしてみんなのオーガニックを『さがし、みつけ、つながる』とちぎの縁日」。まさにその通り、知らないとちぎを見つけて、手作りの思いにつながることができた一日でした。

食べ物だけではなく、生活全体を大切にしたいという希望に溢れた「とちぎの縁日」、ここでお店を知って、次はお店を訪ねてみたくなりました。

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